Why Wood?どうして木なの?展 -@D&DEPARTMENT札幌店 [Exhibition]

D&DEPARTMENT札幌店で開催されている「Why Wood?どうして木なの?展」のトークイベント「どうして木なの?」に行って参りました。

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この「Why Wood?どうして木なの?展」は、旭川木工に携わる7名の方々の製品を集め、旭川木工についてと、彼らが陶磁器でもガラスでも金属でもなく、どうして木を使って作っているのかを私たちに教えてくれる展示です。

出展者は、この7名の方々でした。
井上寛之・美由紀【工房 灯のたね】 http://www.akarino-tane.com/
伊庭崇人【家具工房 伊庭善】 http://ibazen.com/
高橋秀寿【高橋工芸】 http://www.takahashikougei.com/
丹野雅景【work studio 雅】
堀内亜理子【halico】
丸一直哉【TUC】 http://www.kinomama.co.jp/
ヨシダナオト【to・mo・ni】 http://www.to-mo-ni.jp/

トークイベントは、これといった進行はなく、会場から出た質問に作家の方々が順々に答えていく形式でした。

1.木材にもシーズンがある?
木材にもシーズンがあるそうです。
大抵の木工作家さんは、製材を購入して作品を作るのですが、高橋工芸さんは、木のカップを作る際に必要な製材が一般的に流通しているものだと小さいので、ご自身で丸太を購入して、製材にしてもらうそうです。
木の競りがあり、丸太の目利きの方もいるそうです。

高橋工芸さんのお話によると、木は秋口から冬12月辺りになると、冬期の間凍ってしまわないように水分を吸い上げなくなるそうです。
木材は水分が多いと乾燥による収縮でくるいが出てしまうことがあることから、極力乾燥された状態で加工するのが好ましいそうで、そのため、1月か2月に伐採した木が使いやすいそうです。

夏と冬では木の水分量がかなり異なるそうで、冬の木は伐採したばかりの丸太の状態でしばらく放置しても問題ないのですが、夏の木は水分を多く含んでいるために、丸太の状態で放っておくと、蒸されてカビが生えたり、樹皮の色が辺材に染み込んでしまうので、伐採後すぐに製材にしなければいけないそうです。

2.生産量は木の仕入れによって決まる
同じく、高橋工芸さんのお話で、前述のように丸太を仕入れ製材にして、数ヶ月乾燥させてから加工に入るので、最大で作ることができる製品の量が木の仕入れによって決まっているそうです。
そのため、年間で生産量を計画し、大量注文はあまり受け付けないようにしているそうです。

天然のものを材料としているからこその難しさを感じます。
市場経済に載りきらない生産が、旭川木工の品質を維持しているのでしょう。

3.知られざる漆事情
今回のトークイベントで、予想外に興味深かったのは、堀内さんの「漆」のお話でした。
堀内さんは、漆を本州の漆屋から購入するそうなのですが、実は国内で流通している漆の98%は中国産だそうです。
そして、残り2%の国産漆の60%は岩手県産なのだそうです。
また、国産の漆は価格が中国産のものの5倍近くあるそうです。

漆は、漆の木の樹皮に1年間5日に1回傷をつけることで、採れるそうなのですが、樹齢15歳の木から採れる漆の量は牛乳瓶1本分しかないそうです。
このように時間と手間がかかるためと、漆は林業で、農業と同じように携わっている方が少なくなって、生産量が減っているため、価格が高くなっているそうです。

けれども、堀内さんが仰るには、国産と中国産では透明度が異なるそうで、国産のものの方が透明度が高いそうです。
透明度が高いと顔料の発色が良くなるそうです。
また、国産のものはさらさらとして粘りがなく、塗ったときに刷毛目が立たなく良いそうです。

4.量販店の製品と比べたときの旭川木工
旭川市内といえども、旭川木工や旭川家具の認知度はまだ低いそうです。
多くの方々が、ニトリやIKEAなどで家具を購入します。
旭川木工の方々が、量販店の製品を見ると、長持ちさせるようにはできていないと感じるそうです。
それに対して、旭川木工の製品は長い間使い続けることができるように作られており、また、壊れた際にはきちんと修理を請け負っているそうです。
だから、井上さんは消費者である私たちにこう呼びかけます。

木工製品を購入する際は、長い目で見て欲しい。
木は使っていると色が変わってきて、そこから自分のものだという愛着が湧いてくる。
国内での価格競争に意味はない。
国産だからという品質のいいものを提供したい。


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今回の展示会で、高橋工芸さんの「Cara コップ」にひとめぼれしてしまいました。



手に馴染む卵のような丸みと、滑らかな質感、そして木の軽さと香り。
思わず買って帰ろうとしたのですが、価格を見て断念してしまいました。
そして、井上さんのお話を思い出しました。
デフレ経済や物がすぐ手に入る時代になったからか、私たちはモノを買うときに、たぶん頭のどこかで壊れたり失くなったりしても「まあいいか」という思いがあって、井上さんの言う長い目で見た価値を意識できず、目先の価格に捕われてしまいます。
目先の価格に捕われず、長く使える良いものを購入できる人間になりたいと思います。
お気に入りのものを、長く、時には修理に出して使い続ける、そんな生活がしたいです。


Why Wood? どうして木なの? 展
http://d-department.kgkgkg.com/?page_id=1498
※8月8日まで開催中です。
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by 五本指 シューズ (2011-01-19 12:02) 

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