水の教会 -@アルファリゾート・トマム [Architecture]

アルファリゾート・トマムには、安藤忠雄さん設計の「水の教会」があります。
光の教会(茨木春日丘教会)が壁に十字のスリットを入れて、光の十字架を見せるのに対して、この水の教会は、十字に組まれた鉄骨を池に立てて、水に浮かぶ十字架を見せます。

日中に見学しに行ったら、挙式を行っているため中には入れないと言われてしまいました。
しかたなく、外観のみを撮影し、夜に開催される見学会に望みを託してホテルに引き返しました。

水の教会は、木が生い茂る森の中にあります。
鉄筋コンクリート造の建物の目の前に池があり、そこに前述の十字架があるのです。
外観は、上部のガラスに囲まれて立っている4本の鉄筋コンクリート造の十字架が印象的でした。

水の教会01.jpg

そして、夜21時になり、見学会へ。

水の教会03.jpg

暗い闇の中で、森と水に浮かぶ十字架がライトアップされていました。
水面に森が映り込んでいるのと、十字架の凛とした佇まいが綺麗でした。
かすかに虫の声や樹々のざわめきが聞こえるのがいっそう静けさを強調していました。
同行していただいたスタッフの方によると、建築が森の音を集めるような形態になっているそうです。

コンクリートで囲まれた屋内だけではなくて、目の前の池とその向こうに見える森と空も合わせてひとつの建築になっているのがわかります。
本来は祭壇と池の境界には一面の大きなガラス窓あるのですが、それを開けたときには、完全にその存在感を忘れて内部空間と外部空間が一体的に感じられるように、サッシは壁に埋め込まれ、ガラス窓も全部建築のとなりにスライドして見えなくなるようになっています。

水の教会02.jpg

また、普通、教会は祭壇が参列席より高くなっているものですが、この水の教会は、一段低くなっています。
そのため、祭壇に立つと、とても水面が近くに感じます。

この建築は、「水に浮かぶ十字架と森をバックに結婚式をあげる」という体験を中心に据えて設計された思いますが、
その体験の感動がより一層大きくなるように、窓の開け方やしまい方を工夫して内部空間と外部空間を一体化したり、祭壇を水辺に近づけたりと、建築全体の構成からディテールまで気を使っていることに感激しました。
池の面積や十字架の位置も綿密に計算されていると思います。

水の教会は、メインとなる体験の純度をどれだけあげていくか、を徹底的に突き詰めた建築でした。


水の教会 Chapel on the water  http://www.waterchapel.jp/


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とみっち

行って来られたんですね☆
光の教会は大阪なので、訪れたことがありますよ^^
昼間入れなかったのが残念ですね。
僕も最初に光の教会に訪れた時は、法事をされていて入れませんでした。
夜の雰囲気もすごくいい感じですね☆
安藤さんの作品は水を利用したものもすごくいいですよね!
僕の家から近い狭山池博物館も滝みたいになってたりして、
すごくいい感じなんですよ^^
いちばん近い安藤建築は近つ飛鳥博物館ってとこで、歩いてでも行ける距離なんですよ。
まだ北海道へは行ったことないんですが、訪れた際は絶対に訪れてみたい所です♪
by とみっち (2010-08-14 04:00) 

natsukoaiba

コメントありがとうございます。
お返事遅くなってすみません。
やっぱり大阪はたくさん安藤建築があるんですね!
私は今まで、東京の青山にあるコレッツィオーネと、札幌の渡辺淳一文学館にしか行ったことがなくて、どちらも窮屈な感じがしたので、あまり安藤さんの作品が好きではなかったんですけど、
水の教会を見て、やっぱり安藤さんは凄いんだと再認識しました。
水を使っている作品だと、ベタですがTIME'S Ⅰ・Ⅱが気になりますね。
いつか見てみたいです。

by natsukoaiba (2010-08-15 23:52) 

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