武蔵野美術大学図書館 [Architecture]

以前、東京都小平市にある、藤本壮介さん設計の武蔵野美術大学の図書館を見学に行きました。
思い起こせば3年前、友達とウィークリーマンションを借りて藤本壮介建築事務所にオープンデスクに行きました。
その当時は、この図書館のプロポーザルコンペを獲得したばかりの頃で、オープンデスク中はこれのスタディ模型を作っていました。
なので、思い入れのある建築です。

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外観は、樹木が映り込んでガラスの存在感が消え、森の中に本棚があるように見えて綺麗でした。
この本棚にはゆくゆくは本を並べることがあるのでしょうか?

この図書館のコンセプトは「書物の森」だそうで、渦巻き状の平面計画によって、目的の本に辿り着くための検索性と、本棚をかきわけてそれまで自分が知らなかった新たな本と偶然出会えるような散策性の両方を成立させようとしています。

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内部はこのようになっていました。
渦巻きの中心には、受付カウンターがあり、そこに立つと360度見渡す限り本棚という光景は圧巻でした。
各コーナーには、それぞれ10進分類法の数字のサインが大きく飾られてあり、中心から各方向に向かって放射状にコーナーが設けられています。

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動線としては、渦巻き状の平面計画はあまり体感できませんでした。
本棚と本棚の間をスムーズに行き来させるためと見通しの確保のために、本棚に開口が多く開けられています。
また、吹き抜け部分では、キャットウォークが渦巻きに沿わずに張り巡らせてあります。
その結果、利用者は渦巻きとは無関係な動線を描きながら館内を回遊し、本を探すときやふと館内案内図を見たときに、渦巻きだったと気づくという感じでした。

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天井を見上げると、トップライトから漏れる自然光と天井のスリットにつけられた照明の光がポリカーボネート板に当たり、やわらかな光が降り注ぎます。

武蔵野美術大学05.jpg
武蔵野美術大学04.jpg


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開架本は、まだ人の手の届く高さの範囲にしか置かれていないので、たくさんの本に囲まれているという実感はあまりなかったです。
この先時間を重ねて収蔵本が増え、いつか床から天井まで隙間なく本棚に本が詰め込まれたら、ものすごい物量とその背後に潜む膨大な量の知識を体感できると思います。
その時が、この建築のあるべき姿なのかもしれません。

だからこの建築は、これから人に使われて成長していく建築のような気がします。


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