勝間 和代著:不幸になる生き方 [Book]

勝間和代さんの書籍は、「効率が10倍アップする新・知的生産術―自分をグーグル化する方法」を読んで以来、チェックしています。

私が勝間さんの書籍に共感するのは、目指している方向が同じだからだと思います。
1.自分が所属している組織ではなく、自分のスキルによって自分の価値を示すことができる人材になること。
2.ビジネスパーソンとしても、母親としても、一人の女性としても、生活を充実させていくこと。
3.そのために、あらゆることを効率化させていくこと。

この本も、腑に落ちるエピソードが多かったです。
語られる1つ1つの話は、他の著者の方の書籍でも語られていることも多く、全体として真新しい話はないかもしれませんが、「幸福になるための本」として1冊にまとめられていることに意味があると思います。
この先も手元に残しておきたい本のひとつです。

「不幸になる生き方を知ることが、幸福になる近道です」
この本のテーマは、「不幸になりにくい行動をとり続けることが、結果として幸福につながる」です。

私はこの考え方が、高校の数学のときに習った集合の考え方と似ているなと思っていて、
ある全体集合(この場合、生き方)の中に、2つの集合(幸福と不幸)があり、片方の集合が曖昧な集合(幸福)であるとき、それを取り出すために、明快な集合(不幸)を抜きとることによってそれを明らかにする、
ということだと思います。

世の中には、様々な幸福論はありますが、幸福のありかたは人それぞれですし、そもそも私たち自身が自分にとってどのような状態が幸福かを模索しながら生きています。
不幸も同じようにどんな状態が不幸かと問われれば困りますが、自分が嫌だなと思う状況は誰でも一つや二つあるものです。
自分の人生からそれら「嫌な状況」を取り除いていけば、最後に幸福な状態が残ります。
だから、この考え方はすごく理にかなっているなとしっくりきました。


この本の構成は、まず前半部分でどのような考え方が不幸であるかを説明し、後半部分にそれを避けるための考え方や行動の指針を7つの項目に分けて説明しています。
以下は、その中から特に共感した項目です。


[1]有責の法則
これは、自分の不幸を親・教師・上司あるいは社会のせいにし続けるのではなく(この考えの人を他責の人と呼んでいます)、自分自身が自分の人生に責任を持つ(有責の人)ようになることで、リスクを考えて行動するようになり、結果的に泥沼の不幸の状態を避けるといった考えです。

私は、この考え方がすごく大事だなと思いました。
これは私が就職活動をしていたときに、同じく就職活動していた知人と出くわしたときの話です。

彼は、就職活動に難航していて、その理由を不況であることを理由にしたり、自分が面接に失敗した理由を面接官に投げかけられた問いがたまたま難しいものだったということで片付けていました。
まさに、他責の人だったのです。
このとき思ったのは、失敗の原因を外部状況に求めてばかりいたら、次に自分が行うべき行動が全く見えて来ないのではないか、ということです。
面接になぜ落ちたのかの本当の原因はわかりようがないのですが、それでも、自分のあの発言や振舞よくなかったからだと、自分自身に原因があると推測することで、少なくとも次の面接に対して何らかの努力ができると思います。
外部状況に原因を求めていたら、自分にとって都合の良い状況に出会うことを祈るしかなく、自分自身には何のスキルアップも改善もありません。
だからこそ、自責の人になるべきだと思うのです。

[2]分散の法則
これは、すべての外部環境をコントロールできない以上、自分のエネルギーや時間を過度に一点集中せず、様々なものに分散して投資したほうが、リスクに強く、確実なリターンを得ることができるといった考えです。
つまり、仕事一筋や完全専業主婦のように、自分が幸せややりがいを感じるフィールドを一つにするなってことです。

特にこの考え方を意識していたわけではないのですが、大学生4年間を円満に終えることができたのは、自分のフィールドを学業と部活の両方に持っていたからだと思います。

大学3年生のとき、部活を頑張りすぎて体調を崩してしまい、しばらくお休みをしなければいけなくなりました。
その期間は、部活のことは少し意識の外に置いといて学業に専念しました。
今思うと、部活だけにやりがいを求めていたら、その当時はすごく精神的に辛かったと思います。
でも、学業にもやりがいを感じていたので、そういった状況でも楽しく過ごすことができました。
そして、学業に専念しながらも、一方でなぜ体調を崩すことになったのか考えていたので、それが結果として復帰後、無理のない効率的な練習方法の改善へと繋がりました。

小野伸二は、「サッカーの悩みって、遊びに行って発散できるもんじゃないんですよ。サッカーの悩みは、サッカーでしか解消できないんです。」と言ったそうです。
確かに、部活の悩みは部活でしか解消できませんでした。
でも、いったん集中して意識を他に向けることで、客観的に悩みを見ることができ、解決に繋がったのだと思います。
そういう意味で、やはり分散の法則は大事だと思います。


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この他にも、「双曲の法則」「応報の法則」「稼働の法則」「内発の法則」「利他の法則」が掲げられ、それぞれに対して考え方だけでなく、そのような行いができるようなきっかけづくりのノウハウが書かれてあります。
例えば、先程の「有責の法則」でしたら、責任を持つための第一歩として、仕事でもプライベートでも小さな約束徹底的に守るというように。

ちなみに、勝間さんのサイトにある「不幸になる生き方診断テスト」を行ったら40点でした。
今すぐに「利他の法則」と「内発の法則」を読んでくださいとのアドバイスがありました。
確かに、読んでいて自分のエピソードが思い浮かばないということは、そのような行動ができていないということですよね。






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